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2023.01.31 お金の教室

お金の教室№31 純資産が多くて信託期間が無期限のファンドが一番いい?

「純資産が30億円未満の投資信託を選んではいけない。早期償還(運用会社主導で運用が終わってしまうこと)で損益を確定させられる場合があるから」と言われることがありますが、この意見には注意すべき点が2つあります。

1つ目は、仮にその投資信託の純資産が少なくても「ファミリーファンド形式」によって運用している投資信託なら、実際の運用規模はもっと大きい場合があるということです。
ファミリーファンド形式とは、同種の運用を合同した「マザーファンド」で実際の運用を行い、その成果を「ベビーファンド」と呼ばれる個別の投資信託に反映させている、運用を効率化させるための仕組みです。

例えば全く同じ運用であったとしても、確定拠出年金向けと一般向けとで信託報酬率が異なる場合は、別個の投資信託にする必要があります。
そうすると小さくてコスト効率の悪い投資信託がたくさん出来てしまうため、合同運用で効率化しようという仕組みがファミリーファンドです。
つまり30億円に見える純資産も、実質的には300億円かもしれないわけです。

もう1つは、仮に早期償還となっても、それ自体が投資家の損というわけではない点です。
その時の基準価額で現金化されて戻ってくるだけであって、当然ですが手数料を取られたりはしませんし、時価より減額されるわけでもありません。

もちろん、その現金をもって同種の投資信託などに乗り換える手間が面倒なのは事実なので、できれば早期償還はないに越したことはありません。
しかし自分が魅力的と思える投資信託であるなら、早期償還のことを気にし過ぎて最初から選択肢から除外してしまうのも、少しもったいない気がします。

また、「純資産が大きくて順調に増えているのが良いファンド。なぜならコツコツ買っている人がいる証だから」というのは間違いです。
そもそも純資産総額は「時価×口数」ですから、誰も買っていなくても時価が上がれば増えますし、そもそも基準価額は需要と供給によって動くものではないので、「誰かが買っていること」自体は特に意味を持ちません。

また、「信託期間が無期限の投資信託を選ぶべき」という意見もありますが、それはひと昔前の常識と言えるかもしれません。
かつては無期限の投資信託が普通でしたが、今は10年などの有期限が一般的です。
一旦期限を決め、その後の純資産の増加具合を見て、期限の後期に信託期限の延長を決める、ということを繰り返していく形です。

  • 出典:日興アセットマネジメント「ラクによめる楽読Basics(ラクヨミベーシック)」
  • 本お知らせは、あしぎんマネーデザインが投資信託の仕組みについてお伝えすること等を目的として作成したものであり、特定商品の勧誘資料ではありません。なお、掲載している見解は当コラム作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。
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