お金の教室№30「低コストのインデックス型が一番!」ではなく「コストよりもリターンが優先」
利益の大きさと費用を抑えることではどちらが大切?
「手数料が安いことが最重要」とばかりに、ノーロード(販売手数料無料)で低コスト(低信託報酬)の投資信託商品ばかりを推奨する風潮が一部にあるようです。
その「2つのフィルター」そのものに問題はありませんが、それだけで商品を選ぶことが正解とは言えません。
特に、低コスト化が進んでいる投資信託のほとんどが、業種を絞ったり銘柄を選んだりせず、一般的な指数通りに広く薄く投資する、いわゆる「インデックスファンド」であることを考えると、ますますこの風潮には疑問を感じます。
以下の図は、ロボティクス関連企業にしぼった毎月3万円の積立投資信託のシミュレーションです。インデックスファンドの対象指数となることの多い「世界株式指数」と比較しています。
現在の評価額における2倍近い金額の差は、「コスト(費用)よりリターン(利益)が優先」という当たり前の視点に気付かせてくれます。
●期間:2004年1月末~2020年12月末
ロボティクス関連株式指数(ROBO STOX指数)と世界株式指数(MSCI World、ネット・円ベース)に積立を行なったシミュレーション
※信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成
※データは過去のものであり、将来を約束するものではありません。
インデックスファンドのリターンは、いくら商品の中で徴収される手数料(信託報酬)が低かったとしても、良くも悪くも基本的に指数通りです。
指数とズレて勝手に上がってはいけないのがインデックスファンドだとも言えます。
しかしメディアやネット記事の一部には、「リターンがあらかじめわかっていない以上、とにかくコストの低いものを買うのが最善である」といった意見があります。
そして、「コストが低いことが重要」という考えの正当性を訴えるために示される例は、コストが1%と0.1%などといった、極端に異なる前提での比較だったりします。
しかし実際に起こっている「低コスト化」の多くは、世界株式指数や日経平均株価など同一指数のインデックスファンド内における、0.1%未満の非常に小さな値下げ競争です。
つまり、現実に起こっていることと、メディアやネット記事の説明のロジックがミスマッチを起こしているのです。
同一の指数でのインデックスファンドである以上、その手数料の値下げが上のイメージ図のような大きなリターン差になることは通常あり得ず、リターンを決めるのは結局のところ指数の行方に他ならないのです。
皆さまにはぜひ、シニカルな視点で「コストファースト」な商品選びをするのでなく、「コストよりもリターンが優先されるべき」という考えを持っていただきたいと思います。
- 出典:日興アセットマネジメント「ラクによめる楽読Basics(ラクヨミベーシック)」
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