2022.11.14 お金の教室
お金の教室№23 割高・割安という概念
「PER」だけは知っておきましょう
投資信託の基準価額が12,000円になったことだけで「もう割高だ。買えない」などと思うのは正しくありません。しかし、昔1,000円だったある企業の株価が気付けば1,200円になった時は少し検討の余地があります。それを検討するツールを「バリュエーション」と言います。「割高/割安分析のためのモノサシ」という意味です。
最も使われるのが利益と比較するモノサシで、「PER」(ピーイーアール/株価収益率)というものです。簡単に言えば、今の株価は「今年の利益の何倍まで買われているか」を示す倍率で、過去の実績から見ると15倍~18倍あたりが多く、10倍台前半だと(企業の利益に比べて)割安、20倍に近かったり、超えたりすると割高とされています。
投資信託を使った資産運用を考える場合、投資信託の中身の株式の一つひとつをPERで分析をする必要などありませんが、式が意味するところは理解しておきたいところです。例えば、もし株価が1,000円から2割上がって1,200円になった時、利益も2割増えているならPERは以前と変わっていないことに気付くでしょう。つまり、1,200円の今の株価は割高になったとは言えないのです。
ある投資信託の中に入っている株価のPERの平均値が、例えばずっと20倍程度で推移しながら基準価額が上がっていたとします。その基準価額は「もう高い。もう買えない。一旦売った方がいいのだろうか?」という状態なのでしょうか。全くそんなことはないのです。組み入れられた株式は利益の増加を伴って株価が上がっているのですから、割高どころか至って健全な基準価額の上昇なのです。前に買えた人なら、今追加購入しても構わないということを意味しているのです。
- 出典:日興アセットマネジメント「ラクによめる楽読Basics(ラクヨミベーシック)」
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