お金の教室№20 債券と金利と為替
「債券」は、バランスファンドには欠かせないパーツ
「債券」というと、日本政府が発行する「個人向け国債」を思い浮かべる人が多いでしょう。発行時に買って満期までの間、半年に1回利息を受け取るというものです。
しかし実は、債券も株式と同様、満期までの間に(主にプロ同士の市場で)売買の取引が行なわれ、時価が変動しています。株式に比べ一般に値動きは小さく、満期時に元本で償還することが決まっているため、満期が近づくにつれ値動きは小さくなっていきます。
投資信託の中に債券を組み入れた場合は、その時価を日々の基準価額に反映することになります。つまり、普通に債券を買えば意識することのなかった時価変動を、イヤでも受けることとなり、満期での元本償還という特徴も手放すことになります。
しかしそれと引き換えに、債券を投資信託で持つことのメリットもたくさんあります。
メリットのひとつは、個人では買いづらい債券も、投資信託を通じてなら買いやすくなる点です。日本より金利の高い海外の債券を個人で買う場合、手続きが困難であることが多く、購入金額も高額となりますが、投資信託でなら、手軽に少額で海外の複数の債券を持つことができます。
さらに、状況の変化に応じた銘柄の入れ替えも、個人が個別に債券を持つ場合では難しいことですし、通常半年毎などが多い債券の利払いも、投資信託にすることで毎月分配に仕立てることができます。また、国債でなく企業の債券(社債)の場合は、その企業の信用力調査が欠かせませんが、そこをプロに委託できるのも「投資信託ならでは」と言えます。
為替は「金利差」を基本に考える
投資信託を通じて海外の債券や株式に投資した場合、「本体」の値動きとは全く別のこととして、「為替変動」の影響を受けることとなります。ここでは簡単に「1ドル100円だったのが、その後90円などの円高になるとマズイ。110円などの円安になるとラッキー」と覚えておきましょう。
では、どうなると円安になりやすいのでしょうか。ひとつには2国間の「金利差」が挙げられます。例えば日本などが低金利の状態のまま、米国の金利だけが上がるとすると、世界中のお金は米国に集まるでしょう。日本の投資家が米国の債券を買おうと思うと、一度円を売って米ドルに交換することになります。その動きが積もり積もると「円安・ドル高」となるわけです。つまり「金利の高い国の通貨は高くなりがち」と整理しておくと良いでしょう。
- 出典:日興アセットマネジメント「ラクによめる楽読Basics(ラクヨミベーシック)」
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