お金の教室№11 <投資信託の仕組み>「上がっている」「下がっている」は、その理由とともに考える
基準価額が何を指しているかを考えましょう
つい基準価額の上がり下がりに一喜一憂してしまいがちですが、基準価額は投資信託の「中身」を日々反映しているに過ぎない、ということを忘れてはなりません。
例えば株式に投資するファンドであれば、そのファンドが保有する株式の株価が「平均」で2割上がったからこそ、ファンドの基準価額が約2割上がるのです。そして、その元々の株価の上昇には、何らかの理由があるはずです。
基準価額が上下する背景には市場の動きがあり、そのまた背景には企業活動などの「実体」があることを常に思い出す必要があります。基準価額が12,000円や15,000円になったことだけを見て「もう高い」とか「一旦利益を確定した方がいい」などと言う人がいますが、中身の検討をしない限り何の判断もできないのです。
基準価額が「2割上昇」した背景にある株価の「2割上昇」が、もしその企業の「企業収益の2割増」に支えられたものであるなら、基準価額が12,000円の現在は、10,000円の頃に比べて「割高になった」とは言えません。
そもそも投資信託の商品性によっては、基準価額が10,000円の頃の「中身」と現在の「中身」の顔ぶれは相当違うかも知れないのです。ファンドマネージャー(投資信託の運用担当者)が、割高になった銘柄を外して、割安または妥当な株価の銘柄に入れ替えていたとしたら、やはり12,000円は割高とは言えません。
そしていつでも一番重要なのは「今後、上がるかどうか」です。過去の基準価額の上昇または下落の背景と「今後上がるかどうか」の両方を検討してはじめて、その基準価額で買って良いのかどうかが判断できるわけです。 とはいえ、今後を見通すのは簡単なことではありません。だからこそ「一旦売って」とか「また下がったら買って」などとタイミングを計るのではなく、「経済は成長し続けているのだから、放っておいても預貯金よりはマシだろう」くらいの「長期のんびりスタンス」「ほったらかし投資」が推奨され、事実結果につながっているのです。
- 出典:日興アセットマネジメント「ラクによめる楽読Basics(ラクヨミベーシック)」
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